山口定著「ファシズム」

 岩波現代文庫、2006年。原本;「ファシズム有斐閣選書、1979年。
 ・読了。
 ・すでに古典的教科書的名著か。最新の研究成果を取り入れたファシズム研究関連文献一覧がよい。

ドイツは徹底して過去の過ちを反省したが日本は「過去の清算」をだらだらと持ち越した結果、(中略)、われわれは、かつての侵略戦争の責任問題(「戦争責任」)に加えて、その問題を戦後民主主義の世代が解決できなかったという意味での「戦後責任」、さらにはそのことの結果としてわれわれがわれわれの未来の世代に対して平和と安全保障を確保できていないという「未来責任」という三重苦を背負わされていることになる。(P341、補説2.戦争責任(問題と論争)、そして歴史認識