解説:加藤周一、岩波文庫、1992年
原著は、初版1926年の改訂版1940年である。
・読了。
『日本精神史研究』の改訂が、時代の変化、すなわち「大正デモクラシー」の自由主義から超国家主義的風潮への知的雰囲気の推移を反映していることを指摘し、それにもかかわらず改訂『日本精神史研究』の本文が、大すじにおいて見事な「作品」であり、それを見事な「作品」として成り立たせたのが、著者の意思と能力ばかりでなく、また二〇年代日本の時代であった。(解説より)
・和辻がなぜ自由主義から超国家主義へと「転向」したのかは、また新たな疑問であり、
新たな読書への誘惑である。