本郷和人(ほんごう・かずと)著「武士から王へ −お上の物語」

 ちくま新書682、2007年。ISBN:9784480063885

 ・読了。堅苦しいか合戦物という印象がある日本中世史を斬新な視点から物語っており、楽しく読めた。
 ・日本中世史を読むのは何年ぶりだろう。学生時代以降、日本古代史から順繰りに現代史まで
  パラパラと読んできたが、近頃またぞろ明治維新の近代から近世へと遡って中世で手にしたのが本書。
 ・ザイン(実情)とゾルレン(当為)という外来語が出てきたのには面食らったが、それぞれの章は
  ひとつひとつ説得力を感じさせる。
 ・中世史関係では阿満利さんや末木さんの仏教関係の本を読んでいたので第六・七章に関心があり、
  第四・五章の議論はトマス・C・スミスの『伝統と創造』などに通じる議論だと思った。