水林章著「ドン・ジュアンの埋葬 モリエール『ドン・ジュアン』における歴史と社会」

 山川出版社、シリーズ歴史のフロンティア、1996年。ISBN:9784634481008

 ・読了。
 ・17世紀中盤のテクストから、フランスにおける近代国家と市場システムの誕生を読み解くスリリングな論考。
  <父>(神の権力=王の権力=父の権力〔家父長制〕)に対する徹底的な破壊という主題も説得的。
 ・当初この一冊は『文学に歴史を読む』という題名の予定だったらしいが、こっちの題名のほうが格段によい。
 ・著者が刺激を受けたというジル・リポヴェツキー『虚無の時代 現代個人主義試論』は、法政大学出版会から
  『空虚の時代 現代個人主義論考』として刊行されている。