渡辺 京二【著】「荒野に立つ虹 渡辺京二評論集成〔3〕」

荒野に立つ虹―渡辺京二評論集成〈3〉

荒野に立つ虹―渡辺京二評論集成〈3〉

 ・読了。

日本が資本主義国家として自立し、世界資本主義の衛星化しなかったのは、ただただ国内で無数の「筑豊」をつくりだし、その収奪によって資本主義的中枢たるべき諸力をあがなったからだ。日本資本主義の建設者は下層民を虐待することに喜びを見出すサディストであったわけではない。国内の周辺労働力を収奪せねば、世界システムのなかで生き残れなかっただけである。(「世界システム筑豊」より)

  現代の「筑豊」は、政策的に創出した非正規労働者である、ということになる。
 ・「歴史主義の擁護」も目からウロコの近代資本主義論であった。