ライナルド・ペルジーニ【著】/伊藤博明+伊藤和行【訳】「哲学的建築 理想都市と記憶劇場」

哲学的建築―理想都市と記憶劇場

哲学的建築―理想都市と記憶劇場

 ・読了。
  本書の目的は、「表現形式としての建築が、(中略)<高度に知識化されたテクノクラート>という
  特殊な階級に限定された専有物として奉仕する必然性はかつては存在しなかったことを論証する点」
  であり、それらは「しばしば純粋な象徴的な意図のもとに構想された理念的な事例」、例えば、「都市、
  城砦、空想的建築、<記憶術的建造物>といった事例」に見出すことができ、「理想的都市国家という
  提案」と「記憶術の伝統に強く結びついた」「要塞、劇場、神殿、迷宮といった」類型に大別できる。
  その歴史的な芸術家、文化人の系列の最後として、「遅れてきたルネサンス人」アタナシウス・キルヒャー
  を取り上げる。