ロベール・ミュシャンブレッド【著】/石井 洋二郎【訳】「近代人の誕生 フランス民衆社会と習俗の文明史」

近代人の誕生―フランス民衆社会と習俗の文明化

近代人の誕生―フランス民衆社会と習俗の文明化

 ・読了。
  暴力と不潔さと野蛮さに覆われたアンシャンレジーム期のフランス民衆(農民、都市大衆)がいかにして
  「文明の習俗化」に巻き込まれ、あるいは抵抗しつつ、「近代人」となっていったのかを描く社会史の大著。
  当時の文学作品や礼儀作法書、国王赦免状、裁判記録、とりわけ財産目録などの膨大な文献を
  縦横に駆使して描く日常生活には迫力がある。
  それにしても公証人による財産目録を遺す習慣は日本にはないなぁ。