坂口 ふみ【著】「<個>の誕生 キリスト教理をつくった人びと」

“個”の誕生―キリスト教教理をつくった人びと

“個”の誕生―キリスト教教理をつくった人びと

 ・「キリスト論は古代に現われた種々な存在論を、ほとんど不可能な仕方で一つに結び合わせる。
  それは、キリストという存在が、もともと不可能な存在だったからである。(P278)」
  その不可能な存在をめぐる、しかもヨーロッパ思想史の淵源にいどむ野心的な力作だと思う。
  多数の皇帝や司教や教皇や教父たちの教義論争はあまり理解できなかったけれど。