渡辺 京二【著】/小川 哲生【編】「維新の夢 渡辺京二コレクション 1 史論」
維新の夢 渡辺京二コレクション[1] 史論 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 単行本
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・まず、渡辺さんの本が文庫版になったことを嬉しく思う。
・「西郷の原点を、革命運動の挫折と、その後の遠島体験に観る渡辺氏の視点は、明治維新の指導者のうち、
ただ一人、近代国家の建設ではなく、政治権力と最も遠いところで生を受け、人知れず死んでいく民の位相を
自らの思想の原点としていたこの人物を、革命成立後、西欧近代の直輸入ではない新しい時代の価値観を
作り出そうとしていった魅力的な像として描いている。」(P490、解説『近代と格闘した人々の声』)
・「死者の無念の意識とのみ共闘することを望み『馬鹿等敷忠義立ては取止め申し候』と、政治権力の論理を
拒否した」(同)西郷に、著者の一貫した強靭な姿勢が重なって見える。