渡辺 京二【著】/小川 哲生【編】「民衆という幻像 渡辺京二コレクション 2 民衆論」
民衆という幻像: 渡辺京二コレクション2 民衆論 (渡辺京二コレクション(全2巻))
- 作者: 渡辺京二,小川哲生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
・珠玉の名編『小さきものの死』が冒頭に収められている。
・「小さきものは常にこのような残酷を甘受せねばならぬ運命にさらされている。バラ色の歴史法則が何ら彼らが陥らねばならぬ残酷な運命を救うものでない以上、彼らにもし救いがあるのなら、それはただ彼らの主体における自覚のうちになければならぬ。願わくは、われわれがいかなる理不尽な抹殺の運命に襲われても、それの徹底的な否認、それとの休みのない戦いによってその理不尽さを超えたいものだ。あの冬の夜の母娘のように死にたくはない。その思いは、今私が怠惰な自己を鞭打って何がしかの文章を書き連ねることの底にもつながっている。」(P.13)