工藤 庸子【著】「サロメ誕生 フローベール/ワイルド」

サロメ誕生―フローベール/ワイルド

サロメ誕生―フローベール/ワイルド

フローベールに限らず、十九世紀のフランス人一般にとって、聖書のページを開くことは、オリエントを夢見ることとほぼ同義だったろうと想像されるのだ。フローベール個人の経験に即して言えば、奇妙なことに、ぬけおちているのは信仰のレベルである。』(P.50)
十九世紀末の「オリエンタリズム」的な知的風土を、サロメ物語の「誕生」から読み解く刺激的な好著。
『オリエントの「美しき首斬女」に捧げられた詩作品、二七八九篇が確認されたという』(P.8)!