平井 正【著】「ゲッベルス メディア時代の政治宣伝」

ゲッベルス―メディア時代の政治宣伝 (中公新書)

ゲッベルス―メディア時代の政治宣伝 (中公新書)

 ・読了。
  なぜ「宣伝」家ゲッベルスは、かくも執拗にエネルギーを投入し驚異的な実行力を示したのか。
  ヒトラーから疎んじられる局面があったにも拘らず、ヒトラーに殉じるほどのヒトラー崇拝
  もしくは妄想がそれを可能にしたということだろうか。
  「彼の本当の仕事は、ただそこにいること、つまりヒトラーが最後の瞬間に火刑台から逃げ出さない
  ように見張ることだった。彼自身はその後で殉死を遂げれば、忠実な者の中でもっとも忠実な者と
  して「永遠に」その名を残せるというのが、彼の妄想だった。」(244頁)