笈川 博一(おいかわ・ひろかず)【著】「物語 エルサレムの歴史  旧約聖書以前からパレスチナ和平まで」

 ・著者はヘブライ大学に留学しており、エルサレムに住んで同大学で教壇にも立っている。
  特に13章「一九六七年から二〇一〇まで−イスラエル時代」は、住民ならではの臨場感を感じさせる。
  現代史のみならず全編が淡々と冷静な文章で綴られているが、著者のエルサレムへの思い、というより、
  過去三千年以上にわたって際限のない複雑な抗争に巻き込まれてきた(現在もそうだ)住民たちへの
  共感に溢れている。