田村 栄子・星乃 治彦【編著】「ヴァイマル共和国の光芒 ナチズムと近代の相克」

ヴァイマル共和国の光芒―ナチズムと近代の相克

ヴァイマル共和国の光芒―ナチズムと近代の相克

パリやロンドンの世紀末だけでなく、ベルリンにも興味があるのだが、ちょっと期待したテーマとずれていた。よく目次をみて、古本といえども中身をパラパラめくってから購入しよう。オンライン書店はパラパラできないのが難点。
そんなことはどうでも良いとして、本論文集の課題は鮮明である。「ヴァイマル共和国は、第一次世界大戦に敗北したドイツにおいて、きわめて強い国際的影響のもとで、「世界一民主的」と説明されたヴァイマル憲法をもって出発し、わずか一四年後の一九三三年一月三〇日のナチスヒトラーの政権掌握により崩壊した。(中略)ヴァイマル共和国をナチス第三帝国の単なる前史として見、その連続性を強調する近年の日本における研究に対する批判を出発点にしている。(中略)ヴァイマル共和国は、結果として第三帝国に行き着くとしても、そうではない方向をあわせもった、他に類例を見ない固有性を有した時代として、またそれが放っている「光芒」は今日においても色あせていない」。(はじめにより)」