多木 浩二【著】『「もの」の詩学 家具、建築、都市のレトリック』

そもそも「もの」が発生するのはなぜかという疑問(P.307)から、「もの」に潜む無意識を探る論考。『第三章 虚構の王国』でルートヴィヒ二世の深層に潜む欲動を、『第四章 ヒトラーの都市』で、ヒトラーや側近が構想した都市それ自体は無形の仕掛けであったと、ヒトラーの時代の無意識を論じている二章が面白かった。