ドニ・プロ【著】/見富 尚人【訳】「崇高なる者 19世紀パリ民衆生活誌」

崇高なる者―19世紀パリ民衆生活誌 (岩波文庫)

崇高なる者―19世紀パリ民衆生活誌 (岩波文庫)

 ・「原題は『崇高なる者−あるいは一八七〇年の労働者の現実とそのあるべき姿』と訳すことができる。
  (中略)この「崇高なる者(シュブリム)」のことばの意味と由来については、(中略)「神のお気に入りの
  崇高な(シュブリム)な労働者」と自称する酔いどれで反社会的な労働者を指す表現であり、プロが逆説的に
  命名したものである。」(解説より)
  一方、職工長から雇用主になって、ひとかどのブルジョワジーに”出世”したプロは労働運動などの社会主義
  活動には距離をおき批判的であり、民衆教育や福祉事業に力を注ぐよう論じている。