エリック・ホブズボーム【著】/船山 榮一【訳】「匪賊の社会史」

匪賊の社会史 (ちくま学芸文庫)

匪賊の社会史 (ちくま学芸文庫)

 ・マルクス主義派的(?)歴史学者による武装した叛逆者である匪賊/義賊の物語。
  小著だが空想と共感を誘う労作。
  資本主義的経済や民主主義的国民国家が繁栄してくると、英雄は単なる盗賊に転落していくのだが、
  それでも民衆が正義を求め不正をただすことを望み続ける限り、ロビン・フッド神話は生きつづける
  ことを大上段に振りかぶった語り口ではなく、彼らに寄せる愛惜を感じさせる語り口の物語。
 ・そういえば、ハリウッド映画の活劇の何本かは(これからも?)その神話の系譜に連なるのだろうか。
  旧訳本(みすず書房刊)の副題は、『ロビン・フッドからガン・マンまで』となっていた。